「ほんもの」の責任 社長 伊藤嘉浩 からのメッセージ
株式会社和泉は、現社長である伊藤嘉浩の父が築いた。
元々の生業は、守口漬を昔ながらの技法でこしらえる、いづ藤が伊藤家の家業である。
伝統食品から、工業製品への転換。
異質にも診えるふたつを繋ぐのは、「ほんもの」というキーワード。
「ほんもの」の責任。
それは、和泉の原点であり、そして目指すべき道でもある。
常に本物を追い求めている、愚直で真面目な会社
「和泉さんは固いでなぁ…」ってよく言われるんですよ。
「奇をてらわない」、「目先のメリットに右往左往しない」。
これは私が常々考えていることなんだけど、だから…かもしれませんね。
「作っている製品は柔らかいんだけどね」
そう冗談を返すこともあるんだけど。
お客様が私どもに求めるもの、つまり気泡緩衝材の本質って、つまりはモノを保護する緩衝力に尽きます。
本質を忘れて、目移りしてしまうといつまでも本物になれない。
いつもいつも、本質を求めて求めて求め続けて…、その先にようやく本物が見えてくる。
和泉というのはそういう会社です。
自分で作ることのできる以上のモノを求めてはいけない
例えば、ある飲食店があるとします。美味い料理を出してくれる店です。
そういう店が、何を考えているのかチェーン展開を考え始めますね。そうすると、まず間違いなく味が落ちていく。
何故だと思いますか?
「自分で作ることのできる以上のモノを求めてはいけない」
これは、株式会社和泉の創業者である父の遺言です。
かつては持っていた本物の味も、利益追求に変わってしまったが故に損なわれてしまった。
きっと、そういうことを戒める言葉なんでしょう。
しかし、気泡緩衝材というのは、ある意味で大量生産、大量販売の極みとも言える商品です。
気泡緩衝材のメーカーである私どもにとっての、求めちゃいけない「自分で作ることのできる以上のモノ」ってなんだろう?
詰まるところは、緩衝性能という本質を疎かにして、あれやこれや余計なことを考えるな!ってことではないかな。
私は、そのように考えています。
ひとりでも欠けたら、「和泉」じゃない
銀行の記帳って、誰がやってるんでしょうね、他の会社は?
うちは、私がやっています。銀行に行って待たされて…、なんて雑用は、私がやればいい。だって、他のみんなは自分の仕事で忙しいんだから。
企業とは人の集合体である。
これはよく言われることだけど、うちは「ひとりひとりが社長だ、オーナーだと思ってやりなさい」と言っている。社員の皆は、和泉という企業に不可欠の存在であり、和泉そのもの。
だから、ひとりでも欠けたら「和泉」じゃない。
「和泉は、個性の強い社員が多い」って言われることもあります。
上から指示を与えられていないからかもしれません。指示待ち人間は、うちにはいませんから。だから、私は皆に尋ねるんですよ、「君の考えを聞かせてくれ」ってね。
「ほんもの」の責任
もちろん、お客様の求めているものには、責任を持って当たらなければなりません。
ただ、価格やコストばかりが優先されがちな現代だと、これは難しいこともあります。
だからと言って、緩衝能力という本質を忘れて価格に走るのは間違いです。
だから、和泉はエアセルマットのメーカーであるとともに、緩衝材、梱包材の商社として、さまざまな商品を取り扱っています。これが、緩衝能力が優先事項ではないお客様に、緩衝能力が第一であるエアセルマットを薦めるのではなく、ご提案の幅をもつことができるからです。
エアセルマットの本質は緩衝性能です。
そして、その本質を極め尽くして、お客様にご満足をいただくことで、「ほんもの」として責任を果たしたことになるのではないでしょうか。